東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。2015年ピクシーダストテクノロジーズ株式会社を設立。2017年筑波大学の学長補佐に就任。
社会
デカルトからベイトソンへ
『魔法』という言葉でコンピュータと社会変化をつなげようと思ったきっかけの本です。拙書『魔法の世紀』もこの引用から始まっていますし、僕のここ数年の行動指針になっています。
限界費用ゼロ社会
平成の問題のひとつに、勃興するインターネットとスマートフォンの市場に、日本社会が追随できなかったことが挙げられる。我々はどういう立ち位置からソフトウェアについて考えればいいのか、ハードウェアはどのように社会をアップデートしていくのかーー本書でリフキンはひとつの回答を提示している。
デジタルネイチャー
自分で書いた本を自分でおすすめするのは、自分の曲をかけるDJみたいですが(笑)、注釈から何まで非常にこだわっているので、是非読んでほしいです。
人間機械論
今のメディアアーティストという仕事につながるという意味で影響を受けたのは、大学生のころに読んだノーバート・ウィーナーの『人間機械論』。モリス・バーマンの『デカルトからベイトソンへ 世界の再魔術化』(本誌9月号で紹介)。マックス・ヴェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』あたりでしょうか。
プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
テクノロジー
深層学習
ディープラーニングの入門書で、理解に必要な数学が解説されています。特に、ベクトル、行列計算、確率的勾配降下法が重要。 深層学習のときに、どういう関数にしたがって機械学習の特徴量は決定されるのかなど、 ディープラーニングを解法としてどう扱うかが記されています
テクニウム
ケヴィン・ケリーの著作としては「(インター ネット〉の次に来るもの」も有名ですが、まず 『テクニウム』を読んでいないと理解しにくいので、2冊セットで読むのがいい。ケヴィン・ ケリーの本の多くは元朝日新聞の服部桂さんが訳していますが、翻訳も優れています
サイバネティックス
僕自身もオートポイエーシス(最先端のシステム論の1つ)のことを書いたり、『デジタルネイチャー』を執筆したりしていますが、『サイバネティックス』はテクノロジーを使って社会を読み解こうとした本のはしりです。自然科学と社会科学と人文科学が融合したような本といえます
幸せな未来は「ゲーム」が創る
よくゲーミフィケーションの考え方が重要だといわれますが、本書では、社会や現実の中におけるリアルなゲームとして、どうやって対象の問題に向き合って社会の中でプレイすることで世界を変えるか、というようなことがずっと書いてあります。
Spatial Augmented Reality
今後、 5Gの普及などもありAR、VRの重要性が増していくだけに、テクノロジーに関連する仕事をしている人たちだけでなく、ビジネスパ ーソン、社会参画と絡めてARやVRを活用しようとする人たちにも、ぜひこの本ぐらい は読んでほしいと思います
DESIGNING INTERACTIONS
僕が強く影響を受けているMITの石井裕先生も載っています。石井先生は、タンジブルビットやラディカルアトムズなどの研究で 業界ではすごく有名です。ほかには、僕の博士課程の指導教官だったマーカー型ARの生みの親である暦本純一先生や、iモードで有名な夏野剛さんも出てきます
THE LAWS OF SIMPLICITY
デザインテクノロジーの領域で僕がお薦めするのは、ジョン・マエダが書いた『THE LAWS OF SIMPLICITY』です。副題には、 デザイン、テクノロジー、ビジネス、ライフと書いてありますが、さまざまな観点から、「シンプリシティとは何か?」について記しています。
物語
イリヤの空、UFOの夏
主人公・浅羽と同い年の中学生2年生のときに初めて読んだのですが、そのときは主人公に、20歳を迎えるころには主人公の先輩の水前寺に、ハタチを越えてからは、自衛官の榎本に感情移入して読みました。飛行機移動が多いのですが、Kindleに入れていつも持ち歩いています。
都市と星
アーサー・C・クラークの作品はほとんど読んだんですけど、『都市と星』を読んでいなくて、読んだら面白かったです。あらゆるものがVR(バーチャルリアリティ)化した世界を’50年代に、ここまで考えられるとは。ほかにアーサー・C・クラークでは『幼年期の終り』も好きでした。
幼年期の終り
マージナル・オペレーション
最近は『マージナル・オペレーション』という、軍事企業に転職した引きこもりの話とか。あとは三宅乱丈さんという方が描かれた『イムリ』というファンタジーとか、そのへんが面白かったです。
イムリ
哲学
ツァラトゥストラかく語りき
ニーチェの思想の“マッチョ感“が好きで、励ましてほしいときや覚悟が足らないときにこの本を手に取ります。これもKindleに入れていつも持ち歩いていますね。
精神と自然
我々の社会では、「精神」はもはや人間の精神だけではない、といったことを論じている思想書です。こういった思想書を17世紀頃のものから読み漁ったうえでコードを書くプログラマーがもっと増えてほしいですね。
自己啓発
MY DEAR BOMB
これは僕の聖書です。意味不明なんですが、最高でした(笑)ここ何年間で読んだ本の中でも一番、意味がわからなくて、意味がわかる。半分は半生を、半分はポエムというか、名言のような言葉なんですけど。例えば「いつしか、確信的なロックンロールが始まる」とかね。よくわからないでしょう? でも、それがめちゃくちゃカッコいい。
エジソンの生涯
20世紀のメディアは、エジソンからスタートすることがほとんど。動く映像を見せたり、蓄音機で音を聞かせたり、部屋が光ったり。見たことのない形や機能をしていて、我々の五感を対象にしている。今見ると極めて芸術的だし、空間インスタレーションのようなものともいえます。21世紀を象徴するものって何だろうと考えるきっかけにもなる、すごく好きな一冊です。